僕の魔剣が、うるさい件についてレビュー
【僕の魔剣が、うるさい件について一巻レビュー】
タイトルからして読む気しなかったんだけれど、意外と評判が良いらしいのと100円で売っていたのでなんとなく購入。
とりあえず、買って損した……とは言わないが、自分の想像した通りのものだったので残念。
面白くはない。
250ページ程度の薄いもので、二時間丁度くらいで読み終えた。暇つぶしにはなるのではないでしょうか。
あらすじをざっと書くと、主人公が亡くなった祖父の持ち物を処分していたら、その中に変わった剣があった。その剣を抜いてみたら何故か女の子が出てきた。その女の子は記憶を無くしていて、でも戦って他の剣(魔剣)を折らなきゃならないことだけは分かっていた。突然襲い掛かってくる敵。普通の高校生でしかなかった主人公が、今見つけた魔剣を使って、何故か物凄い力を発揮して敵を倒す。
学校に行ったら転校生の女の子が来た。その人も魔剣の所持者の様子。放課後、呼び出されて突然バトル。転校生の魔剣がバグって勝負は引き分けに。ようやく魔剣とはなんぞやという会話になる。すると転校生女は魔剣を回収している組織に属しているのだという。何故かと言うと、魔剣を所持していると魔剣が所持者の意識を乗っ取ったり、闘争本能をむき出しにさせたりして危険だから。主人公は自分の魔剣を渡さず保留にし、場を離れる。
次の日、学校から戻ると魔剣に呼ばれているということで、主人公たちはその場に赴く。そして戦闘が始まる。しかし敵は強く、転校生が入ってくるものの敵の魔剣使いにやられてしまう。すると何故か絶好のチャンスなのに敵は二人を見逃した。
主人公と魔剣の会話パート。魔剣は気丈に振る舞っているけど、実は捨てられることを恐れていた。そんな主人公は彼女(剣)に同情し、お前を捨てないことを誓う。
思いを一つにした二人は、今度はこちらから打って出る。主人公の魔剣が敵の魔剣使いに向かって呼びかけた。戦闘シーン。主人公が魔剣に体を貸し、勝利を収める。しかし戦闘終了後、敵の魔剣使いたちがその場に集結していた。絶体絶命のピンチ。そこで主人公の魔剣が突然覚醒する。それに興味を持つ敵のリーダー。パトカーが駆けつけ、敵が消える。
これから一体、どうなってしまうのか。終わり。
……とまぁ、大体こんな感じ。
こうしてストーリーだけを見てみると、そこまでつまらないというほどでもないように見えなくもない気がしなくもない。
しかし、圧倒的に人物の描写が不足している。
デメリットしかないはずの主人公が魔剣を捨てないと覚悟を決めるのは、まぁ多少ご都合主義っぽくけれどいい。
問題は、そこに至る過程だ。
いくつもの死線を越えて、いつの間にか信頼関係が生まれていたというのなら納得はできる。でも魔剣は序盤から主人公に対して、罵詈雑言というほどではないにしろ文句しか言っていなく、いきなり捨てられるのが怖いーなどとべそをかいただけで捨てないと主人公が思うには無理がある。
主人公が(剣とは言えども)美少女大好き下心出しまくり、みたいな奴だったり、聖人君子な描写があれば納得できる。
でも主人公お前、普通に迷惑がっていただろ。
なのに泣き付かれただけで、お前を捨てないキリッには無理があると思うんだ。
あと一番言いたいのが、展開が急すぎる点。
ページを貰えなかったんだろうか。でも一応250ページはあるんだよなぁ。
読んでみればわかるけれど、改行がすごく多くてページの下半分がスカスカ過ぎるという印象を受ける。内容が薄い。もっと詰め込んでくれと言いたい。
それでも戦闘描写は普通だった。個人的には及第点-1。
キャラに魅力がない。描写が薄い。
この二点が特に問題。
なんで魔剣を所持した瞬間に襲われるんだよ、とか。
なんで追い詰めた主人公を見逃したんだ敵よ、とか。
なんで突然主人公の魔剣が覚醒したんだよ、とか。
色々ツッコみどころはあるけれど、そんなことが気にならなくなるくらいにその二点が残念。
なんというか、あらすじをそのまま読まされたという感じ。あらすじというかテキストというか。
もっと豪華に脚色してくれと言いたい。
それでも戦闘描写はまぁまぁ読めたのと、一応すらすらと読めたので(読め過ぎたとも言える)評価は1点。