機械仕掛けの竜と偽りの王子 あらすじとレビュー
【機械仕掛けの竜と偽りの王子一巻レビュー】
ロボットものだということで興味を持ち、購読。
あらすじは、奴隷だった主人公が戦争に巻き込まれてヒロインと出合い、何故か主人公は王族にしか動かすことができないロボットを操縦することができ、ヒロインを助けるべく戦争に半ば無理矢理に参加させられ、敵を倒して終わるといったもの。
お姫さまを助ける主人公という、オーソドックスな展開ではある。
しかし、致命的なまでの主人公に魅力がない。……イアンって主人公、なんだよね?
全体的に未熟さを感じた。
物語の構成だったり、設定だったり、人物の掘り下げだったりといった点が特に。
文章は三人称で、ラノベとしては多少硬めの文章。
章の最初や最後で、神視点から歴史を語ったりする場面がある。
なんというか、非常に突っ込みどころのある作品。ある意味、王道な内容でありながらここまで読者にすっきり感を与えない作品も珍しいと思う。
ロボットものは設定が命な部分もあるだろうに、なんというか説明がザックリ過ぎるというか、ロボットの魅力などが全然伝わってこない。この作者、ロボットに全然興味ないんじゃないだろうか。
WEB小説なら読めるレベルかな、と感じた。というよりロボットものなら、好き放題個人の設定を詰め込んでいるWEB小説の方がレベルが上ではないだろうか。そこまで多くのロボットもののWEB小説を知っているわけではないけれど。
展開にも納得できる部分が少ない。
主人公が何故王族しか動かせない機体を動かせるのかも全く説明が無いし、ラストの必殺技を使うシーンだって「はぁ?」としか思わせない唐突っぷりだし、そもそも今まで乗ったこともないロボットを何故突然操縦できたのか疑問だし、敵の奇抜な行動っぷりに何の説明もなく三人称の意味は? って感じだし、あるキャラクター何故か突然暴走し始めるのも謎すぎるし、読者の気になる部分を全て何も説明しなかったというのが逆にすごいとは思う。
文句なしの0点。
得るものが無いってこういうことを指すのだな、ということを得られた作品。
後に残ったものが何もないっていうのはすごい。