ケモノガリ一巻感想
ついつい一気読みしてしまった。
感想を一言で言うのなら、怖かった。
悪夢を見ているような状況から物語が始まり、そんな絶望的な状況を打破していく作品。
海外に修学旅行中、クラブと呼ばれるマンハント、つまり人を狩る狂気の集団に主人公たちは捕まってしまう。
無残に殺されていくクラスメイトたち。
そんな中、主人公たちのグループは逃げようとするのだが、当然ながらクラブの連中たちは嬉々として狩りにくる。まさしく悪夢としか思えない状況。
主人公はその最中に、自分の隠された才能--人殺しの才能に気付く。
悪い言い方をすれば俺TUEEEな作品であるんだけど、とにかくあまりにも絶望的すぎるから、どんなに主人公が強くてもいいからこの状況をなんとかしてくれと思いながら読み進めていった。
序盤の絶望感。
中盤の不安定感。
終盤の胸の空くような、でも後味の悪い爽快感。
矛盾しているようだけど、この読感は後味の悪い爽快感っていうのが的を射ていると思っている。
雰囲気としてはシーマストダイに似ているなという感じ。
絶望感ではケモノガリだけど、救われなさではシーマストダイの方が上を行くか。
キャラの魅力と文章でという点で、自分はケモノガリの方が好きだけれど。
授業中にテロリストが攻めてきて、という題材(?)をここまで見事に書き切った作者には脱帽した。
主人公が強すぎるという点はあるけど、それはあくまで読み終えた今だからこそ思えることであって、読んでいる最中は強い主人公が頼もしくて仕方なかった。
読み終えた直後ってのと深夜のテンション(徹夜のテンション)ということもあって補正かかってるかもしれないけど、9点の評価を付けたい。
あー面白かったけどもう二度と読みたくねぇ。