燃え燃えキュン

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異能バトルは日常系のなかで 一巻の感想

 現実世界のごく普通の少年少女たちが、ある日突然漫画の世界のような能力を身に着けてしまった、という感じの話。

 クソつまらんとは言わないけど、特に面白い点も無かった印象。

 本編は、その異能の力を使って遊んでいる描写が大半。

 あとはパロディネタがかなり多く使われている。

 文章は基本的に主人公の一人称。一部ヒロインの少女の一人称に変わる。

 別に中二なのは全く問題ないんだけど、主人公が「お前本当に高校生か?」ってレベルで中二(というか普通に頭おかしい)ので全然主人公に好感が持てなかったのが最悪だった。主人公が中学生なら許せた。

 他のキャラはそこまで悪くは無いけどテンプレートの域を出ていないように感じられたのが残念。

 ヒロインの兄と主人公が中二談議するのはそこそこ面白かった。

 ラストは異能バトルが起きるんだけど、あまりにも茶番過ぎて萎えるしかなかった。

 一巻も使ってやったことといえば、キャラとか世界観の説明というよりは『中二』についての説明で、正直面白くもなんともなかった。

 周りのヒロインたちは普段はバカやってる主人公を馬鹿にしているけど、実は心の中では主人公のことを認めている、みたいな感じらしい。

 でも主人公って「自分の好きなことに一直線でカッコいい」みたいな表現をしたいんだろうけど、「馬鹿」と「好きなことに一直線」って似ているようで全然違うんだよね……。残念ながらこの主人公は前者のように感じられてしまって、自分は好きになれなかった。

 中二も表裏一体で、痛さと格好良さを同居させている存在なんだよね……。でもこの作品では中二が痛さという面でしか表現できていないんだよね……。少しでも中二の格好良さを表現できていたのなら評価出来たけど、それが出来ていない以上自分はこの作品を高評価することは出来ないかなぁという感じ。

 シリーズものということを踏まえても、一巻目は、ストーリーについての説明をして読者にこれから先の展開に興味を持ってもらえるようにするか、キャラについての掘り下げでこのキャラたちがこれからどうやっていくのかが気になってもらえるような描写をしないと駄目だなって思った。

 総評すると、兄が物語の鍵を握っているっぽいけど一巻の時点では全然説明されない上に全然興味を持てないし、キャラに魅力も感じないし、ストーリーの方向性も分からないので二巻を読みたいとは思えなかった。

 3点。