灼熱の小早川さん 読了
うーむむむむむむむむ。
終わりよければすべてよし、とは言うけどさぁ。
なんかねー。
途中までは面白かったんだ。確かに面白かった。
表現はなかなか良かったんだけど、たまに文章端折られているところがあって、誰の台詞なのか、誰が何をしたのかというのが分かりにくいところがあった。けどそんなことはどうでもよくって。
ラストで無理矢理ハッピーエンドに持って行っちゃったのが個人的には気に食わない感じ。
無理矢理ハッピーエンドにするくらいならバッドエンドで良かった。
あとはあれだな。一巻完結は全然構わないっていうか個人的にはその方が嬉しいんだけど、一巻でこの物語を収めるには少々端折りすぎているというか物足りないところがあった。収拾つかなくなって丸投げしちゃったのかなと思えてしまうのが残念。
ページ数が少ないせいか話の展開が急というか、あれ、そんな一気に話進んじゃうのというか、内面の変化が早すぎるというか。そういう性急さのようなものも感じた。
やっぱり読者への説得力を強固にするためには、それなりの文章量が必要ですね。
途中までなら7点か8点か迷うところだったけれど、やっぱりラストが急ぎ過ぎというか投げた感じなので5点くらいの評価に留まる。
せめて小早川がクラスメイトたちに、具体的に何と言ったのかくらいは明言化してほしかったかな。ちょっとずるいよねこの展開は。
しかしこの作品の主人公は、近年稀に見る魅力的なラノベ主人公だった。個人的にはあまり好きなタイプではないんだけど、ここまで好印象を与えてくれたのは素晴らしかった。かっこいいぜぇ飯嶋。
この本を読んで思ったけど、一巻でまとめる力、完結感とでもいうか、そういう完成強度のある作品を作るのは難しいなーと改めて思った。
キャラクターの掘り下げとストーリーの密度(?)のバランスというか。まぁ全体的に言えば構成力ってのは非常に重要だなぁと考えさせられる。もっと構成について勉強したい。何かいい題材ないかなぁ。
そう言えば今日から十一月ですね。5点。