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燃え燃えキュン

小説読み書きレビューしたりゲームの考察についてのブログ

俺のかーちゃんが17歳になった 感想

 電撃大賞の最終まで残った作品らしい。所謂拾い上げというやつですかね。

 うーん。非常に評価が難しい作品。一行で言うなら、リアリティが無いんだけどリアリティがある作品という感じ。

 ちなみに、最初このタイトルを見た時、自分は「父親が再婚した相手が17歳で、そっからラブコメやってく感じかなぁ」って思ってたけど全然違った。思考がエロ漫画に毒されてる。まぁどうでもいい話。

 えーと、まず主人公の母親(40代)が17歳教という、17歳に若返る宗教団体?に入信し、17歳になるところから物語は始まる。

 主人公はなんで母親が17歳になったんだと気になり独自に調査を開始。

 引きこもりでネットに詳しい妹と協力し合い、17歳教について調べる。

 17歳教には様々な噂があり、17歳になると残りの寿命が半分になるとか、入信する理由のほぼ全てが若さを取り戻してエンジョイ(恋愛)したいという情報ばかりが見つかり、主人公と妹は母親に対して失望に似た感情を覚える。

 主人公たちは母親を尾行し調査する。

 若い男と一緒にいる母親を目撃してしまい、想像が確信に変わりかけ、主人公は母親に直接問いただすことになる。

 すると母親は、お金のために、昔やっていたアイドルとして復帰するために仕事をしていたのだと説明する。一緒にいた男はマネージャーらしい。

 やっぱり母親は誇れる人だったんだ、と兄妹は安心し、一段落。

 というのが序盤の展開。

 次から、主人公と同じ17歳の母親を持つクラスメイトの女子が出てきたり、主人公の老い先短いばあちゃんまでもが17歳になったり、そんな感じ。

 面白いかどうか、と聞かれれば、まぁまぁ面白い。

 でも細かいこと……っていうか細かくないんだけど、一番肝心な部分を全力で放り投げてるんだよねーこの物語。

 まず17歳教ってものが何なのか全然分からない。組織の人間が出てくるわけでも無い。ただ母親を17歳にするための道具でしかない。

 んで、人間の若返りなんていう前代未聞の事件が起きながら、更にアイドルとして世間に普通に出ていくのがわけわかんない。

 せめて主人公の狭い周辺だけで起きる小規模の現象だったら、まぁ若返りなんて現象が起きてもギリギリセーフだとしよう。

 でもそれが日本全域に認知されるにしては、全く問題になっていないとかリアリティ無さすぎるでしょ。

 40代の元アイドルが17歳になって再登場! なんて情報よりも、17歳に若返るっていう有り得ない現象の方が遥かに問題あるでしょ。なのにそれで社会が混乱するような状態になっていない。

 そういった肝心の問題を全力でぶん投げた上で普通に物語が進んで行ってしまう。

 リアリティを放棄するのだったら、17歳教とかってのがせめて数十年前から存在していて世間に認知されているくらいはしてないとダメだろーって自分は思う。思った。

 でもまぁ話自体は結構いいんですよ。感動系のいい話になってる。

 しかし細かいところで、悪い意味でライトノベルっぽい。

 主人公が妹のラフな恰好に対してドギマギしすぎだったり、最後に母親がファンたちに対して、息子と娘が一番好きだからファンは世界で三番目に好きって発言したり。

 自分がアイドルのファンになったことが無いから詳しいことは分からんけど、アイドルが結婚して子供が二人いて、その子供のために金のためにアイドルに復帰したって言った上にファンに対して世界で三番目に好きって発言するって、いや普通に考えてファンは萎えるだろ、って思った。

 なんかここらへんは、無理矢理いい話に持っていこうとして、あー滑っちゃったかーと感じてしまった。もうちょいうまいやり方あったでしょ。

 17歳教に関して設定をぶん投げてる。

 要所要所で滑ってる。

 主人公の一人称だが、会話がとてもつまらないので一人称が全然活かせていないし、文章は分かりやすいものの基本的に稚拙で読んでいて楽しくは無い。

 しかし物語での感動させるポイントは抑えているので、設定さえ気にしなければそれなりに楽しんで読める。

 魅力的なキャラがかーちゃんとばーちゃんしかいないのが惜しかったけど、キャラの魅力に感動系の物語が組み合わさって、ちゃんと最後まで読めるものにはなっている。

 イラスト見て好みなら買ってもいいんじゃないかなぁ。

 4点。