燃え燃えキュン

小説読み書きレビューしたりゲームの考察についてのブログ

面白い作品と面白くない作品、どちらが参考になるか

 結論から言ってしまえば、面白くない作品の方が参考になると思う。

 例えば面白い作品としてフルメタルパニックを挙げるとする。

 あえて一巻に限定するとして、あれの完成度は相当なものだと自分は考えているが、しかしだからといって参考になるかというと正直微妙だ。

 勿論参考に出来る部分は多くある。

 起承転結のバランスや簡潔でありつつも分かりやすい文章などは非常に参考になるだろうが、物語の構造がそのまま参考になるかというと、そうではないだろう。

 まず第一に参考にしてはならないのが、相良宗介という主人公――キャラクターだ。

 あんな主人公、いくら参考にしたところで、あれに匹敵する主人公なんて生み出せるわけがない。自分は相良宗介こそがライトノベル史上最高の主人公であると確信している。

 つまり、作者本人にしか思いつかないようなオリジナリティ満載な要素は参考にできないのだ。

 オリジナリティがあるということは、既存のものを完全に参考にする、ということは出来ず、オリジナリティ部分にマッチするように、他の部分の骨格も変えていく必要がある。

 そしてオリジナリティがあるということは、面白いということなのだ。中にはオリジナリティがあってもつまらないものもあるだろうが、ありきたりで面白い作品はそうそう存在しない。オリジナリティ=面白さではないが、面白い作品には何かしらオリジナリティがあるものである。

 つまり、オリジナリティがある面白い作品は、その作品専用の物語となっている訳であって、他者が参考にすることは非常に難しい。

 ……言いたいことが伝わっただろうか。

 

 その点、面白くない作品は参考になる。

 面白くないシーンを読んだら、ここはこうすれば面白くすることができる、ということを考える余地があるからだ。

 言うなれば、面白い作品とは100点満点のテストで、面白くない作品とは満点じゃないテストというイメージだ。

 面白い作品は、ここをこうすればいい、という受け手側が新たな(もしくは面白い、というかテストという例えに準じるとすれば『正しい』)解答をすることができない。つまり改善の余地が無い。何故なら面白いから。改善の余地が無いから。

 しかし面白くない作品は、ここをこうすれば面白くなる、という考察をすることができる。その過程で、自身の面白さの引き出しが増えてくれるだろう。

 

 面白い作品は、当然読みたい。

 しかし、面白い作品は、あまり参考にすることはできない。ジレンマである。

 面白い作品を読んだら、こういう発想があるのか、とオリジナリティをというかセンスを吸収しないといけないのかな、と最近は感じる。

 だが、相変わらず自分はありきたりな発想しかできていない。つらい。面白い作品を読んでセンス高めたいけど、なかなか面白い作品がみつからない。つらい。

 

 ラノベを買ってみようかなぁと思った時、とりあえずあらすじを見るのだが、あらすじを見た時点で購入意欲を削ぐものが数パターン存在する。

 1.〇〇年前に(もしくは突如発生した)××(化物の名前)という化物が現れて、人類が生き残るために戦う世界。主人公は××と戦うための機関に入るが云々かんぬん。

 2.〇〇という能力が存在する世界。能力に目覚めた主人公は事件に巻き込まれて云々かんぬん。

 

 この2パターンはヤバいくらい興味惹かれない。

 パターン1は、また化物、突如発生しちゃったのかよ……もういいよ……突如発生する以外の化物の登場って無いのかよ……ってレベルだし、

 パターン2は、結局は名称が違うだけの魔法でしかないし、しかもあらすじの時点で無駄にルビが振られた専門用語のオンパレードでうわぁ作者がやりたいことを書いてるだけのパターンだああああって感じてしまう。案の定内容も分からんし(もしくは分かりやすすぎるくらい普通)。

 しかもこういう二つのパターンのあらすじの作品に限って、キャラ設定がテンプレオブテンプレで、特に主人公とか100回くらい見たことがあるようなド普通な奴で、あらすじもテンプレキャラもテンプレってこれ気合の入ったギャグかなにかか? って思ってしまう。

 あらすじというか設定がテンプレートな場合、ラノベならキャラで差別化しないといけないと思うんだけど、設定以上にドテンプレなキャラしか出てこない作品が多すぎるように思う。

 というかドテンプレなあらすじを書いている時点で、どうやってその本を買ってもらおうと考えているのかが自分には分からない。イラストでしか差別化できていないんじゃなかろうか。

 まぁそのイラストに関しても、男性キャラが全く描けていないイラストレーターとか、キャラの顔が全員同じで髪型でしか差別化できていないイラストレーターとかもいるし……。まぁどうでもいいか。

 

 なんだか脱線してきてしまったので、そろそろまとめよう。

 まとめると、面白い作品は参考にはならないが、その面白いアイディアを吸収し、自分のセンスを高めるのには役立つ。面白くない作品は、自分なりにその作品を面白くする方法を考えることで、結果的に面白さを生み出す技術が養われる。

 大雑把に言うと、こんなところか。

 ある一定のレベルにまで達した人は、面白い本をたくさん読んで、センスを磨いていった方が良いと思われる。

 自分もそのセンスとやらを磨いていかないと駄目な感じがしますね……。