燃え燃えキュン

小説読み書きレビューしたりゲームの考察についてのブログ

ストライクザブラッド 感想とか

 この作者の作品、全然面白いと思わないんだけどアニメ化したようだし、吸血鬼ものに興味があったので読んでみた。案の定つまらなかった。一応レビューは書いてみる。

 

 主人公は世界最強と呼ばれる吸血鬼で、ヒロインはそんな主人公を監視するために、ある機関から監視の任務を授かり、主人公に接近する。

 主人公はそんな風につきまとうヒロインを疎ましく思うも、常識のない彼女のことを放っておけず、隣に引っ越してきたこともあって、なんだかんだと仲良くなっていく。

 そんな中、敵の組織が何やら強い武器を作るために非道な人体実験を行っている最中に主人公たちが出くわす。

 何とか引き分けて、逃走する主人公。

 敵の目的が主人公にあるということで、より一層ヒロインは主人公の監視に力を入れるようになる。

 敵の動向を探るために、スーパーハッカー(笑)の主人公の友人を頼りに敵の居場所を突き止めるが、ヒロインを守るために主人公が攻撃を喰らい、全身バラバラになってしまう。が、最強の吸血鬼である主人公はそんな状態からでも復活! あとついでにその最強の吸血鬼の力は、元々持っていたものではなく、先代の最強吸血鬼から受け継いだものだったらしい。

 バラバラから復活した主人公。学校の友人の近くに敵がいてピンチ。主人公が駆けつける。

 が、このままでは勝てないのでヒロインの血を吸うことで今まで扱えなかった力を使えるようになって何か知らんが勝利。やったね。

 

 とまぁ大体こんな感じ。

 毒にも薬にもならない小説だった。

 ヒロインはちょろいし、幼馴染ポジションのヒロインは既存のヒロインとの差異が全く感じられない。

 主人公もバスケ頑張ってたけど自分の力一人では云々~とかいうクッソ軽い過去話しただけで特に感情移入も出来ない。というか基本的に誰にも感情移入できない。

 今では大して真新しくも無いっていうかもういいよって感じのロリータ教師も出てきて更に魅力もないからはいはいテンプレテンプレとしか言いようがない。

 そんな薄っぺらさの極致のようなキャラクターの中で設定だけは中二的に凝っていて鳥肌が立った。悪い意味で。しかも何度も。燃える展開だろ? みたいな感じにしたいのが透けてみえて鳥肌が立った。悪い意味で。

 伏線無い上に事件があっさり終わるから何も心に響かない。どうでもいい説明ばかりで掘り下げる描写が無い。

 小説の書き方を知ったばかりの人がとりあえず無難にまとめてみました感がすごい。

 しかしそんなこの小説にも一つだけ褒められる点がある。

 それが文章の上手さだ。

 教科書と言っても良いほど文章が良い。中身は全く使えないけど、文章だけなら参考にしてもいいと思う。

 流し読みのような読み方だったのに、ちゃんと全部文字が頭に入ってきて非常に読みやすかった。三人称のお手本が欲しいのなら買ってもいいのかもしれない。それ以外の目的ではお勧めできない。

 これを読んだ後に新人の作品を読んでみると、読みやすさが全然違うので、そうなることが分かっていつつも感動した。やっぱり文章力っていうのは、書いてりゃ誰でも上達するもんなんですかね。

 文章の読みやすさに感動した。とはいえども戦闘描写は大して良くなかった。分かりやすくはあるけど臨場感がないっつーのかな。読んでてつまらん戦闘。しかしそれ以外の文章は良かった。

 3点。