燃え燃えキュン

小説読み書きレビューしたりゲームの考察についてのブログ

面白いストーリーは存在しないのではないかという考え

 もしくは、すべてのストーリーは面白いという考え方。

 正確には、すべてのストーリーは面白くなる可能性を持っている。

 なんつーのかな。面白い物語は存在するけど、面白いストーリーはやっぱり無いんじゃないかなって思う。

 ここでの物語っていうのは、キャラ・設定・ストーリーすべてを含めたもののことで、ストーリーってのは物語の流れだけのこと。例えば、勇者が魔王を倒しに行く話、ってのがストーリーと捉える。

 ストーリーってそんな大雑把なものじゃないだろ、ってのは分かる。

 でも面白いとされる作品のストーリーを聞いても、それだけ聞いてめちゃくちゃ面白い予感がする物語ってないと思うんだよね。

 例えばフルメタルパニック。世間的にも自分としても面白い作品だと思うけど、ストーリーを説明すれば、テロリストに狙われている少女を主人公が守る話、というだけで、言ってしまえばありきたりな感じすらする。でも面白い。

 され竜だって、ストーリーは主人公と相棒の二人組が復讐者に襲われるのを撃退するだけと言える。

 じゃあ何が面白いのか?

 フルメタは戦争屋の主人公が平和な日本の学校で適応できず四苦八苦する姿と、しかし戦闘では抜群の活躍をしてみせるのが面白い。

 され竜は、皮肉屋の主人公と変人の相棒が頭おかしい会話を繰り広げながら、心を躍らせる文章で書かれる戦闘シーンが楽しい。

 もっと正確に言えば、

 フルメタは学生なのに戦争のプロという「ギャップという面白いとされる要素」を持ったキャラと、絶体絶命の状況をヒロインの知恵によって突破する「大きな山を解決するという爽快感を得られる面白さ」と、他にも日常シーンで主人公に対するヒロインの好感度が上下する様も物語の起伏があり、それもまた面白い要素であったと言えると思う。

 され竜はまず主人公と相棒のキャラが魅力的。主人公は我々と等身大の悩みを持つ皮肉屋のツッコミ型キャラであり、これは「読者が共感を覚えるという面白さ」を持っているし、相棒の方は超強くてイケメンなのに変人という「ギャップ」がある。戦闘シーンの「爽快感のあるバトルの面白さ」も持っている。

 これらの要素はライトノベルに限定された面白さの要素なのかもしれないけど、一般小説を見ても、面白とされる小説は、ストーリー自体が面白いというものはかなり少ないように思える。

 これが自分が、「ストーリーが面白いのではなく、ストーリーに含まれる面白いと言われる要素を持っている作品が面白いのだ」と考える理由なのだが、どうだろうか。

 つまり、ぶっちゃけ面白い物語っていうかストーリーってなんなのよ? と言われたら、それは「ストーリーの中に面白いとされる要素がどれだけ入っているか、またはその面白い要素をどれだけ掘り下げているか」ということだと思う。

 大体さ、「面白い」ってこと自体曖昧すぎるんだよね。面白いの種類が多すぎるっていうか。

 漫才を見て面白いと感じるのと、感動の恋愛ドラマを見て感じる面白いは、どちらも面白いけどその本質というか面白さは全く違うものじゃん? ベクトルが違うって言うか。面白いの意味を面白いという言葉に集約しすぎだと思う。

 面白いストーリーを考えることも大切だと思うけど、それ以上に読者が面白いと思う要素を考えることが必要じゃないかなーって思った。がんばろう。