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放課後は最強ですが、何か? 一巻レビュー

 読むのが苦痛だったものの、ようやく読み切ったのでとりあえずレビューしておく。

 文は三人称。

 あらすじとしては、転校してきた主人公は寮で眠ると異世界に呼び出されて、仮想戦国時代のような世界でお姫さまを守る、といった内容の物語。

 まずなんていうかキャラクターが最悪。もしくはどこまでも希薄。

 高校生だし幼稚なところがあるのは分かるけど、幼稚さだけを書いてて良さが全然書かれていない。終盤では多少盛り上がってキャラも少し活きてくるけど、活きてくるのが遅すぎる。とにかく序盤はキャラの欠点ばかりが目につきまくって読む気が全然起きない。

 主人公たち以外にも大勢人がいるはずなんだけど、全く出てこないからまさに空気。すごい少人数しかいないんじゃないかと錯覚してしまう。

 だからといって主人公たちの描写が多いというわけでもない。どこまでも薄っぺらい中身のない文章が続くだけ。有象無象を描写しない意味が全くない。

 メインキャラは主人公を含めた四人のはずなんだけど、そのうちの一人が全然出番がなく、ようやく出番が出てきてそのキャラの内面が分かってきた時にはもう終わる直前。つまり三人に描写が絞られているはずなのに全然魅力が伝わってこないというのは逆にすごいと思う。

 あとは主人公がヒロインに惚れる理由が完全にひとめぼれで、惚れる理由としては弱すぎる。面食いなだけじゃんって感じ。

 とにかくキャラに魅力が無さすぎて読むのが苦痛。

 そのギャップを活かして後半でキャラが一気に魅力的になり、盛り上げてくれるんだろう! と淡い期待をしてなんとか読み進めていったのだが、確かに多少盛り返しはするがあまりに展開が遅すぎた。うざさ9.9魅力0.1って感じ。もっとコントロールというか調整してくれと言いたくなった。

 特に先輩として出てくるキャラが小説史上最もと言っていいくらい最悪。

 悪の魅力とただのゲスを履き違えている感じ。とにかく不快。

 しかもあれだけうざさを強調したくせにあっさり退場。マジでなんのために出てきたの状態。作者はあれを本気で面白いと思ってやったのだろうか。理解に苦しむ。

 唯一まともなキャラはあっさり死ぬ。

 確かにいいキャラの死は辛くて感動を呼ぶかもしれないけど、この小説の良いは他の小説での最低レベルだからね。そんなキャラが死んだところで「あっそう」としかならなさすぎる。

 あとは主人公がダサすぎるくせにカッコいいこと言ってるみたいな空気出してるのが何かもう無理です。読者を殺す気ですか。

 なんていうか、展開が性急すぎた。どうでもいいことにページ割き過ぎだと思う。

 でもイラストだけは評価できる。ジュノがすげー可愛かった。それだけに無意味に殺したのがあまりに謎。

 物語の設定は悪くないと思う。

 でもとにかくキャラに魅力がないのが辛すぎた。痛さしか感じない。

 なんていうか、上手い使い方ができなかったんだろうなぁという感じ。

 主人公は主体性ないし、男友達はひたすらゴミだったし、女友達その一はまぁまぁ良かったけど女友達その二は出番遅すぎて結局魅力伝わらなかったし、あーほんと文句が尽きねーやこの小説。

 出来るだけ短くこの小説をまとめるなら、

  • 魅力をとことん削ったキャラ達
  • ラストが超展開とは言わないまでも性急すぎてポカーンとする

 これに尽きる。

 戦略は読んでてなかなか面白かったけど、感動するほどかって言われるとうんとは言えないし……。

 やっぱり小説はキャラクターだなって改めて認識させてくれた作品でした。

 同じスニーカー文庫として見るのなら「僕の魔剣が、うるさい件について」といい勝負。

 個人的には、この作品と魔剣がうるさい件について、問題児たちが異世界から来るそうですよ? の三作はほぼ同レベル(読むに堪えない)。

 なんで、問題児たちが異世界から来るそうですよに人気があってアニメ化までしたのかがあまりに謎すぎる。WEB小説レベルでならギリギリ読めるかも、とは思ったけど。世の中何が流行るか分からないものですなぁ。

 

 つまらない小説を読むと、面白さとは何なのかを見失うよね。

 総評としては文句なしの1点。イラスト無ければ読めなかったかも。イラストの偉大さを思い知らせてくれた作品。